【毎日杯2022】ピースオブエイト優勝もドゥラドーレスまさかの3着

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概要

雨の中おこなわれた2022年の毎日杯は、4番人気ピースオブエイトが逃げ切り勝ち。2着には9番人気の伏兵ベジャール、3着に1番人気のドゥラドーレスという結果でした。

天候は小雨発表もレース前にはかなりの雨粒が落ちたコンディション。それでもレース直前くらいから雨は落ち着き、稍重で止まってレース本番を迎えました。1番人気はセントポーリア賞を快勝したドゥラドーレス。2番人気に良血リヤドと素質馬テンダンスが並ぶ形のオッズとなりました。

レースは4番人気ピースオブエイトが逃げる形。5ハロン通過59.5秒と稍重の芝1800mにしては早いペースを演出。1番人気ドゥラドーレスが後方でスムースさを欠きながら、直線ではピースオブエイトと9番人気ベジャールのマッチレースの様相に。ベジャールがいったん先頭に並びかけるも逃げたピースオブエイがもうひと伸びして逃げ切り勝ち。勝ちタイム1:47.5は稍重ながら今世代の同コースでは上位にくるものでした。

勝ったピースオブエイトは前走アルメリア賞のパフォーマンスそのままに、稍重にも対応して素晴らしい逃げ切り勝ちでした。早いペースから直線並ばれて再度伸びるところは力を示したと言っていいのではないでしょうか。

一方で1番人気ドゥラドーレスは終始スムースさを欠き、最後は猛烈に追い込むも3着まで。賞金加算に失敗し、厳しいクラシックロードとなってしまいました。

個別見解

ここからは主に上位入着した馬を中心に見解を述べていきます。

ピースオブエイト

アルメリア賞の勝ち方のとおり、同コースのここでは力を発揮してきました。さらに稍重の芝1800mを5ハロン59.5で通過しながら最後の直線では二の足を伸ばしてベジャールを突き放す形となりました。今回の内容からもクラシックではレースを面白くしてくれる一頭に入ってくると思います。馬の状態次第ではありますが、右回りでこのパフォーマンスとなると、もしかすると皐月賞を使ってくるかもしれません。

ベジャール

9番人気と評価は低めでしたが、勝ち馬ピースオブエイトに直線で並びかけるなど見せ場たっぷりのレースでした。横並びのスタートからピースオブエイトの後ろにつけてレースを進め、途中スーザンアッシャーとリアドに先行されますが内ラチ沿いをキープして直線へ。直線ではいったん先頭に並びかけ見せ場を作りました。最後は交わすまでいかず負けてしまいましたが、ここで賞金を加算して次のレース選択もある程度余裕ができたかもしれません。モーリス産駒ということもありますから、NHKマイルあたりに照準を合わせてくる可能性もあります。

ドゥラドーレス

最大の注目でしたが3着に負けてしまいました。スタートはやや遅らせる形となり後方を追走。内ラチ沿いを進んで3コーナーあたりから全身を開始。しかし進もうとした進路は他馬も入ろうとしており、ここでロスすることに。4コーナーで最後方まで下がることとなってしまい直線へ。直線でも前が密集するポジションとなってしまい苦しい展開。坂の手前で外側に進路を変更し追い出しを開始。豪脚で前との差を詰めるも距離が足りず3着まで。賞金加算できない結果となってしまいました。

終始スムースさを欠くレースに見えました。発馬があまりよくなく、さらに雨が降って内側の馬場が悪くなる状況で1番ゲートを割り当てられるなど、運も味方にはなりませんでした。レースを見ていると稍重の馬場にも対応できていたようには見えましたが、それ以外のところでロスが大きくなってしまいました。雨の馬場をこなせそうに見えたからこそ、この結果は残念です。もともと使う予定はないと思いますが皐月賞は絶望的に。ダービーを目指すならもう1戦、トライアルレースあるいは京都新聞杯など賞金加算できるレースを使わなければいけなくなってしまいました。

リアド

スタートは横並びで先頭からやや離れた6番手ほどにつける形の序盤。3コーナーから進出を開始すると、4コーナーではピースオブエイトの後ろにつける3〜4番手で直線へ。しかし直線では追われるもなかなか伸びずピースオブエイトからは離れていくことに。最後はセイウンハーデスに交わされて5着となりました。。

鞍上福永騎手のレース後コメントによれば「この馬場では踏ん張りきれないところがある」とのこと。レースの運び方や馬場が合わないながらもジリジリと伸びた直線をみると、府中の良馬場でもう一度期待したい一頭であると思いました。

テンダンス

スタートは出るも外枠もあって内枠から良いスタートを切った集団の後ろに控える形。しか3コーナー手前でスーサンアッシャーが位置をあげると、その影響を受けて少しかかってしまいました。その後すぐ持ち直してリアドを見る形でレースを進めると、4コーナー手前から進出を開始し密集する集団の外目につけて直線へ。セイウンハーデスとの併せ馬になりましたが早々に脱落。馬場に足を取られたとの騎手コメントによると、こちらもコンディションの影響を受けたのかもしれません。

クラシックに向けて

ほとんどの馬はダービーに照準を合わせていると思われます。勝ったピースオブエイトは賞金を加算して選択肢を広げました。先にも書きましたが、右回りのパフォーマンスをみると、もしかすると皐月賞に使ってくるかもしれません。続報を待ちたいところです。

さて賞金加算に失敗したその他の馬は、春クラシックに乗せるならダービーを目指すということになります。ただしタービーはすべての陣営が目指すレースであり、馬主としても使えるなら使いたいと思いますから、賞金が足りなければほぼ出られません。つまりトライアルレースを使わざるを得なくなります。

ダービトライアルとして指定されているレースは青葉賞、そしてプリンシパルステークスです。どちらも東京競馬場で行われるレースで、上位馬に優先出走権が与えられます。またダービトライアルではないですが京都新聞杯も有力なステップレースです。毎日杯から京都新聞杯を使ってダービーを制した馬にキズナがいます。

レース名 コース
2022年4月30日 青葉賞(G2) 東京芝2400m 1着および2着の馬に優先出走権
2022年5月7日 プリンシパルS(L) 東京芝2000m 1着の馬に優先出走権
2022年5月7日 京都新聞杯(G2) 中京芝2200m 優先出走権なし、京都改修中につき中京で開催

3着も力を示した形となったドゥラドーレスは、ダービーを目指すなら3競争のどれかを勝たなければなりません(青葉賞は2着でもよいですが他馬も必死なので権利を取るには狙うくらいでないといけないと思います)。新馬、セントポーリア賞と東京で結果を出していますし、輸送も極力避けるでしょうから、青葉賞かプリンシパルステークスが本線でしょうか。距離は長いが1週の空きを作れる青葉賞か、感覚は詰まるが距離が短く青葉賞よりはメンバーが薄くなりそうなプリンシパルステークスか、判断が必要な場面です。また鞍上ですが、いろいろと言われてはいますが引き続き戸崎騎手で応援したいです。毎日杯はいろいろと不利な状況になってしまいましたが、得意の関東開催ならやってくれるはずです。戸崎騎手の東京での騎乗は好きなものもたくさんあるので、継続騎乗でリベンジしてほしいと思っています。

リアドとテンダンスも良馬場で改めて見たいところ。京都新聞杯は中京開催ですので、栗東所属の両馬は手薄とみれば東京のダービートライアルに使ってくるかもしれません。ただ中京も東京と同じ左回りに長めの直線なので依然京都新聞杯有力とは思います。

おわりに

個人的には非常にショッキングな結果となった毎日杯でした。ドゥラドーレス応援で現地観戦していたのですが、レース後しばらく動けませんでした(笑)。

今年の牡馬クラシックは混戦です。有力馬のほとんどが皐月賞で初めて直接対決しますが、直行の馬もいますから皐月賞で勝負づけが済むとも思っていません。語り継がれるかもしれない今年のダービー。ドゥラドーレスは厳しいローテーションになってしまいましたが、立て直してダービーでそのパフォーマンスをドウデュースはじめ有力馬とともに披露してほしいですね。